ファシリテーター
藤江 昭彦 (日本医療研究開発機構)
勝俣 良祐 (エーザイ株式会社)
新井 好史 (日本医療研究開発機構)
参加者
17名
概要
天然物創薬をテーマとしたスペシャルインタレストグループ(以下、SIG)は今回で2回目の開催となる。本会は、天然物創薬研究会(SNAP)に所属する企業や会員を中心に、産業応用を見据えた天然物創薬に関する技術向上や課題解決を目的として、情報交換・意見交換・技術交流を行う場である。
本年度は、山形大学の浜本先生およびAMEDの藤江先生をお招きし、カイコ感染モデルを用いて発見された2つの天然物について、その発見・開発の経緯や直面した課題をご紹介いただいた。
会の冒頭では、参加者全員による自己紹介と近況報告を行い、各機関の現状を共有した。想定よりも時間を要したため、次年度は適切な時間配分(目安30分程度)を設定する必要がある。
浜本先生のご講演では、新規MRSA治療薬の創薬研究を通じて、感染症領域における新規作用機序の重要性や、天然物ならではのユニークな活性をご紹介いただいた。また、アカデミア発の創薬の難しさについても共有いただいた。製薬企業では整備されている前臨床研究を、アカデミアでは独自に進める必要があり、薬物動態や一般毒性のデータも先生主導で取得されていることに驚かされた。一方で、こうした困難を背景に、省スケールで実施可能なモデルとしてカイコ感染モデルが成熟したとも言える。今後は、アカデミアのアイデアと企業の強力なツール・プラットフォームを効率的・効果的に組み合わせることで、円滑な創薬開発を実現する必要がある。
藤江先生からは、カイコ感染モデルを活用した新規抗真菌物質の発見についてご紹介いただいた。この事例は、企業におけるステレオタイプな考え方からの脱却によって見出されたものである。化合物構造としても、一般的には忌避される特徴を有しており、ケミストやバイオロジストから理解を得ることの難しさがうかがえた。
最後に、次年度以降の本会の在り方についてブレインストーミングを行い、小規模でも有志を募って継続的に実施する方向で参加者間の共通認識を得た。
