ファシリテーター
田邊 賢司(東京女子医科大学)
鷺谷 洋司(東京大学)
下田 嵩央(旭化成ファーマ株式会社)
谷村 美幾(塩野義製薬株式会社)
参加者
25名
【概要】
本ワークショップでは「HCSをどう活用するか?」という問いを出発点に、MOA解析などの応用事例を紹介しつつ、参加者同士で活用法や課題、今後への期待を自由に議論することを目指した。 今回は、参加者から頂いた事前アンケート結果を基に3つのグループを作成し、参加者の希望に沿ってグループ分けを行い議論した。最後に、各グループから挙げられた課題や疑問点について、それぞれの専門性を基に全体議論を実施した。 以下に各グループでの主な議論点について簡単に記載する 。
スクリーニング(評価系構築・スクリーニング、毒性評価)
評価系構築時の課題について議論を行った。HCSにおけるZ'の位置付けとクライテリア設定、タイムラグによっておこる退光対策など、初心者の方にとっても実務に活かせる情報交換の場になった。
フェノタイプ解析(Cell Painting、MOA解明)
主にHCSで得られる膨大な特徴量の扱い方について議論された。得られる特徴量には生物学的な意味と関連付けにくいものがあること、機器メーカーによって取得される特徴量の傾向に違いがあることなどが共有され、興味のある実験系や最終的に得たい結果や分類の程度によって研究者自身の判断が必要との意識が共有された。例えば、解釈が容易であることを優先するなら、「意味が分かる」特徴量に絞り込むべきであるし、わずかな変化の検出を優先するなら絞り込みは行わず特徴量のバリエーションは維持すべきであるかもしれないという意見が出された。
高次評価(組織切片、ヒト検体、初代細胞、オルガノイド)
・HCS装置で組織評価を実施することについて議論を行った。従来のスクリーニングという位置づけとは異なるが、薬理評価や毒性評価で高解像度の画像を撮影し、特徴量を抽出して特定の組織・細胞集団における変化を捉えたいというニーズは多いことが共有された。
・また組織評価においては、透明化処理などの工夫により厚みのある組織でも評価が可能であるという事例も共有された。
・Micro physiological systems (MPS)やオルガノイドの利活用については、動物とヒトをつなぐトランスレーションの観点で世界での応用が確実に進んでいることが共有された。
本ワークショップでは、HCSをどう活用するかという観点で様々な切り口から議論を実施することができた。参加者の方々の専門性や活躍するフィールドは大きく異なるものの、HCSを活用するという同じ軸を通じて、それぞれの課題や問題を解決する一助となれば幸いである。
