発表者

展 天承 東京大学工学系研究科

タイトル

TRAF6-Ubc13のPPI阻害剤スクリーニングにおけるライブラリー選択の影響

要旨

本研究の目的は、 TRAF6-Ubc13のPPIを特異的に阻害する低分子化合物を取得し、炎症性疾患の治療薬開発の端緒とすることである。阻害活性と特異性を効率的に高めるため、標的の相互作用機構を物理化学的な観点から解明した上で、化合物ライブラリーに対するin vitroスクリーニングを行い、 標的の相互作用機構や構造を元に最適化を進めることとした。  まず物理化学的な解析から、このPPIは界面の疎水性残基が駆動力となり、親水性残基が特異性をもたらす特徴的な様式を持つことが明らかになった。続いてPPIライブラリーとフラグメントライブラリーに対してin vitroスクリーニングを行なったところ、前者からは親和性は高いが非特異的なヒットが多く得られたのに対し、後者からは親和性は高くないものの特異的なヒットを取得することができた。これらの結果は、標的の相互作用機構によって、ライブラリー選択とそれに合わせた最適化戦略を検討することの重要性を示唆するものである 。