演題
三次元培養技術を利用した組織モデル構築と創薬への利用
コーニングインターナショナル株式会社
ライフサイエンス事業部
技術サポートマネージャー
江藤 哉子
要旨
超低接着表面(Ultra Low Attachment)は、ハイドロゲルで表面をコートすることで、細胞の容器への接着を抑制して細胞凝集を促します。Corningが開発した超低接着表面の黒色/透明底ラウンドボトムのスフェロイドプレートは、このハイドロゲルの効果で、一定の細胞を播種するのみでプレートの各ウェルに容易に均一なシングルスフェロイドを形成することができます。
Corningではスフェロイドプレートを用いて、がん細胞のスフェロイドを用いた創薬スクリーニング系のご提案などを行ってきました。これらのスフェロイドプレートを用いると、播種した細胞数に応じた均一なシングルスフェロイドが形成され、三次元(3D)スフェロイドを用いたハイスループットスクリーニングが可能となります。
これまでは、ベーシックなスフェロイドスクリーニング系を構築するために必要な細胞の播種数、培養時間などの条件検討、創薬スクリーニングアッセイの検討ついて報告してきましたが、今回は培養や評価系を複雑にした3D Tumor InvasionやCo-culture spheroidの検討を経て、最近話題となっているCAR-T細胞の新たなスクリーニング系の検討も行いましたのでその情報をご報告します。さらに3Dがん免疫モデル、腸オルガノイドモデルの検討など、新たな研究モデルの情報もご紹介いたします。