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参加者14名は、下記3テーマのうち事前アンケートの結果から割り振られた2テーマを前・後半で入れ替え、それぞれ約50分間討議した。ファシリテーター3名は各テーマに固定した。

 

検体の品質に関する課題

  • コンタミネーション:ヒートシール時に液量が多い場合のコンタミネーションの危険性が指摘された。コンタミネーションを避けるため、チップは単回使用に留めるという意見が多かった。
  • 秤量/分注精度:秤量は1 mg以上で実施して精度を保証するところが多かった。実験室内の温・湿度管理、静電気対策についても議論された。
  • 溶液濃度:不溶部の判定は目視と機器使用の両者が存在した。不溶部の扱いも、情報処理(フラグ付加)に留まるところと検体除去の両者が存在した。
  • マザープレートの繰り返し利用:脱水しながらできるだけ使用するところと一定期間で入れ替えるところに分かれた。
  • 経年劣化:明確に使用期限や廃棄基準を設定しているところはなかった。吸湿を含めた検査は、全数検査ではなく、ヒット検体に限って対応するのが良いのではという意見が出た。

 

作業効率化に関する課題

  • 効率化に対する工夫(自動化):粉体秤量の自動化は、ニーズや解決策はあるものの、人手でカバーするのが良いのではという意見が多かった。粉体管理は、機器(倉庫)と検体の双方を特定の組織が管理すると効率化が図れるとの意見が上がった。
  • 不溶物対策:不溶物の判定と取扱いについて、基準は明確なものがないとの意見が多かった。その他は上記「検体の品質に関する課題」-「溶液濃度」とほぼ同意見であった。
  • 多様なニーズへの対応:HTSごとに数万~十数万の選抜ライブラリーをピッキングする件について議論がなされたが、効果的な結論には至らなかった。
  • 組織運用体制:他業務を行いながら少人数で運用するヒントとして、自動化の活用とともに、プレート作り置きなど空き時間の有効活用が提案された。
  • その他:マイクロプレートに貼付したシールや化合物登録システムのスループットに関する議論が行われた。

 

機器一般・ITシステムに関する話題

  • 機器・OS老朽化に伴う更新:機器の予算申請や故障対応について議論されたが、各社固有の事情もあり、具体案は提示できなかった。OSサポート終了への対応は、積極的に更新を図るところとオフライン運用で延命を図るところに分かれた。
  • 自動化:人手を使用した場合の作業の早さや細やかさに対し、自動化の利点として稼働時間の長さやエラー頻度の少なさといった生産性の高さが挙げられた。また、自動化時の効率性の指標として、人手では難しい検体の入れ替えなど、定性的なものも効果的という意見が出た。
  • 検体管理システム:市販のパッケージシステムの使用感について質問が上がったが、使用者はいなかった。検体の管理区分は様々であったが、ほぼアッセイプレートの提供先までは管理されていた。
  • その他:ヒートシールやデキャップ時の問題点について話し合われた。

 

まとめと次回以降の課題

今回の参加者の多くは、少人数でありながら多様な役割発揮を求められる組織の業務として化合物管理を担っており、議論に取り上げられた点はいずれも当事者にとって重要な課題であった。一方で、議論が狭くなりがちな傾向もあり、来年度以降の人数・テーマ数について検討したい。