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演題

超低接着表面(Ultra Low Attachment)の特性を活かしたCorning スフェロイドプレートの実用に向けて

演者

コーニングインターナショナル株式会社 ライフサイエンス事業部
フィールドアプリケーションサイエンティスト 田口 亜紀子

要旨

超低接着表面(Ultra Low Attachment)は、細胞の接着を抑制して細胞凝集を促す培養表面です。タンパク質やその他の生体分子は疎水結合やイオン結合によってポリスチレン表面に弱く引き付けられますが、このハイドロゲル表面ではこれらの力による非特異的な接着が起こりにくく、細胞接着が阻害されます。

従来からCorningでは超低接着表面のディッシュやマルチウェルプレート、フラスコ、セルスタック培養用チャンバーを提供してきましたが、近年、スフェロイドの形成とアッセイが1枚のプレートで可能な黒色/透明底ラウンドボトムの96ウェルあるいは384ウェルのスフェロイドプレートも開発されました。これらのスフェロイドプレートを用いると、播種した細胞数に応じた均一なシングルスフェロイドが形成出来、三次元(3D)スフェロイドを用いたスクリーニングが可能となります。

今回のセミナーでは、スフェロイドプレートを用いた癌細胞スフェロイド形成の細胞播種の適正条件や培養期間の検討を行うにあたり、どのような点に留意しながら取り進めるべきか、どのような違いが表れるのか検討した情報や薬剤の効果を検討した情報などをご紹介いたします。他に、初代肝細胞の代替モデルであるCorning Hepatocellsを用いた肝細胞スフェロイドの知見にもついても触れます。薬剤スクリーニングの適切なモデルを構築することは、薬物性肝障害を引き起こす場合がある化合物を予測するために重要です。三次元(3D)肝細胞モデルは、従来の二次元(2D)の培養系に比べて組織の形態的、機能的な特徴を維持する点で勝っており、in vitroの薬物毒性をより反映すると期待されています。