西垣 敦子(シオノギテクノアドバンスリサーチ株式会社)
和田 玲子(大正製薬株式会社)
34名
概要
ワークショップ(WS)のまとめ
本WSは、昨年までと趣向を変えて「アッセイ系構築 基礎」をテーマとし、アッセイ系構築未経験者や初心者を対象として開催しました。薬効評価やスクリーニング担当の方々に加え、安全性、機器開発、試薬開発といったご所属様々なメンバー構成となりました。アカデミア・製薬企業・CRO・ベンダーといった多様な所属の方々を交えた形で、5人もしくは6人/グループに分かれて6グループで議論することとしました。
事前にオンラインチュートリアルで「アッセイ系構築の基礎」を配信し、酵素アッセイ系を題材にしたアッセイ系構築する上で重要なポイントを説明した動画で基礎を学んでいただきました。加えて、当日に先ず「アッセイ系構築関連用語」復習の時間を設け、未経験者でもある程度の基礎知識を蓄えた上でその後のグループディスカッションに参加していただくようにしました。その際に、関連用語に関する疑問点についてフロアでのQ&Aを実施し、比較的経験値が豊富な参加者からも積極的にご回答いただけたことからフロア全体での理解が深まりました。
グループディスカッションではメインテーマを「アッセイ系構築時の留意点について」と設定しました。事前アンケート回答をもとに多くの参加者で共通の課題と考えられる項目をいくつか提示し、グループで題材を選んでいただきました。ディスカッション項目は、「新規評価系構築時のプロセス(どうやって組み立てる?妥当性はどう判断するか?)」、「アッセイ系構築の目的(何のためのアッセイ系構築か?)」、「コントロール設定」および「精度の確保」などを提示しました。これらの項目やグループで独自に選択した題材に関して、具体的な課題への取り組み方や解決策に関して討議していただきました。
それぞれの討議後に、各グループでの討議内容を代表者の方に発表していただきました。各グループで活発な意見交換が行われ、様々な話題や解決方法が提示されました。1テーマずつ「発表→フィードバック」を行うことでディスカッション内容を丁寧に振り返り、討議内容のフロア全体での共有につなげました。フロアディスカッションの時間も設けることで、グループだけではなくWS全体での課題共有にもつながりました。
本WSは未経験者や初心者が7割を超える参加者構成でしたが、アッセイ系構築の進め方、実験上の具体的な課題および試験結果の判断などに関して悩みをお互いに共有いただき、多岐に渡る項目について活発に議論していただきました。懇親会でも本WSメンバーが継続して議論していただいている様子が見られ、年会を参加者間のコミュニケーションが深まる、スクリーニング学研究会ならではの有意義な時間となりました。
WSの流れおよび時間配分
- 【オープニング、自己紹介】(20分)
所属や経験値などをもとに予めグループ分け(5~6人/グループ)をおこない、フロア全体で自己紹介 - 【アンケートフィードバック】(10分)
アッセイ系構築の際の悩みを事前アンケート結果からフィードバック ・自由記載の質問項目についてフロア全体でのQ&A - 【アッセイ系構築 関連用語レビュー】(20分)
アッセイ系構築に関連する用語の復習およびフロア全体でのQ&A - 【グループディスカッション】(40分)
「アッセイ系構築時の留意点について」をテーマに、提示された題材もしくはグループで独自の題材を選んで意見交換し、討議内容を発表 - 【フロアディスカッション】(20分)
グループディスカッションで多くのグループで取り上げられた内容やについてフロアでディスカッション- 細胞培養方法
- 細胞の均一な播種の仕方一過性発現細胞と安定発現細胞の活性の差
- 細胞評価系におけるバラつき解消のコツ
- 自動分注機でばらつきが出るときの精度の確保 など
- 【WSのまとめ】(5分)
- 【クロージング】(5分)