ファシリテーター
下田 嵩央(旭化成ファーマ株式会社)
谷村 美幾(塩野義製薬株式会社)
田邊 賢司(東京女子医科大学)
参加者
32名
【概要】
本ワークショップは、画像解析の基礎から応用的な手法まで幅広く学べる機会を提供することを目的とした。具体例として画像データや解析手法が公開されているCell Paintingを取り上げることで、参加者がワークショップで学んだ知識や技術を復習できるようにした。
最初に、ファシリテーターからCell Paintingの概要について説明を行った。Cell Paintingは細胞の特徴を網羅的に可視化する技術で、近年、創薬研究において重要な役割を果たしている。この技術の基本的な解析の流れを理解するため、フリーの画像解析ソフトウェアであるCellProfilerを用いた解析の具体例を紹介した。また、ハイコンテントスクリーニング(HCS)機器に付属する画像解析ソフトウェアを活用した解析手法や、ディープラーニングを応用した解析事例についても解説した。
次に、参加者によるショートプレゼンテーションを行い、現場での画像解析の具体的な取り組みが共有された。このセッションでは、参加者の方の経験が紹介され、参加者間の意見交換が行われた。
その後、4つのグループに分かれてディスカッションを実施した。Cell Paintingを題材とすることで、技術の活用法や解析手順に関する具体的な議論が展開されただけでなく、画像解析全般における課題や悩みについても幅広く話し合われた。特に、解析ソフトの選択やデータの前処理、結果の解釈といった実践的なトピックが多く取り上げられたことが印象的だった。
本ワークショップを通じて、参加者が画像解析に対する理解を深め、Cell PaintingやHCSを用いた解析に取り組むきっかけになったと考えている。参加者同士の交流の場としても有意義なものとなった。今後も、このような議論と学びの場を提供することで、研究や実務における画像解析の普及と発展に貢献していきたい。
また、今年度はSIG(Special Interest Group)でも「Cell Painting入門」というタイトルでCell Paintingの概論と実施例を紹介した。両方参加してくださった方々にとって、Cell paintingの理解が深まったことを期待するとともに、SIGとWSで類似のテーマを角度を変えて行うことでシナジーを出す取り組みを今後もチャレンジしていきたい。