ファシリテーター

西垣 敦子(シオノギテクノアドバンスリサーチ株式会社)
和田 玲子(大正製薬株式会社)
 

参加者

41名

概要

1.WSの流れおよび時間配分

  1. オープニング(10分)
    ・経験値などをもとに予めグループ分け(4人/グループ)をおこない、 フロア全体で自己紹介
  2. 自己紹介とケーススタディ(20分)
    ・化合物阻害曲線とプレートのシグナル散布図を元に問題点とその原因を各グループでディスカッション
  3. 回答例とアンケートフィードバック(10分)
    ・アッセイ系構築の際の悩みを事前アンケート結果からフィードバック
  4. グループディスカッション1(15分)
    ・「評価系を選択する際に、生理学的関連性をどこまで考慮しますか?」を題材に意見交換し、発表
  5. 休憩
  6. グループディスカッション2(15分)
    ・「ポジティブコントロールがない場合どうしていますか?」を題材に意見交換し、発表
  7. グループディスカッション3(15分)
    ・「false positive / false negative はどう判断していますか?」を題材に意見交換し、発表
  8. フロアディスカッション(10分)
    ・アンケートの自由回答で挙げられた項目についてフロアでディスカッション
    ・アッセイ系構築の時間短縮の工夫について
    ・一過性発現細胞と安定発現細胞の活性の差
    ・cell-based assayは接着細胞だけでなく、浮遊細胞でアッセイ系を構築することはあるのか?
  9. WSのまとめ(5分)
     

2. ワークショップ(WS)のまとめ

本WSはアッセイ系構築、HTS実施、安全性、化合物管理、アカデミアおよびベンダーといったご所属とご経験度様々なメンバー構成となりました。事前アンケートからの参加者の希望を鑑み、多様な経験度の方々を交えた形で、5人もしくは6人/グループに分かれて議論することとしました。
主にWSに参加するスクリーニング初心者の方を対象に、事前オンラインチュートリアルで「アッセイ系構築の基礎」を配信し、酵素アッセイ系を題材にしたアッセイ系構築する上で重視なポイントを説明した動画で基礎を学んでいただきました。当日は先ず化合物阻害曲線の事例をケーススタディとして、各グループでディスカッションしていただきました。次に事前アンケート回答をもとに課題と考えられる項目を具体的に分類してフィードバックしました。また個別回答欄に記載された疑問なども紹介しました。これらの中から参加者を通じて共通した課題と考えられる項目を3テーマ選抜し、本WSでのディスカッション項目として3課題を提示しました。
ディスカッション項目は、①評価系を選択の際の生理学的関連性、②ポジコンがない場合の策、③false positive / false negative の判断の3項目とし、各グループで課題に対する取り組み方や解決策に関して討議していただきました。 それぞれの討議後に、各グループでの討議内容を代表者の方に発表していただきました。各グループで活発な意見交換が行われ、様々な話題や解決方法が提示されました。1テーマずつ「発表→フィードバック」を行うことでディスカッション内容を丁寧に振り返り、討議内容のフロア全体での共有につなげました。
本WSを通じて様々な背景の方々により、アッセイ系構築の進め方、実験上の具体的な課題および試験結果の判断など多岐に渡る項目について活発に議論していただきました。WS終了後にも再現性が得られない系をどこまで許容すべきか、チュートリアルを見たうえでさらに日頃の実験上の課題を熱心に相談されておられました。細胞アッセイを実施・予定している参加者が非常に多く、ベテランの方の経験に基づく意見も非常に参考になりました。課題の解決や悩みの共有だけでなく所属や目的の違いによる業務の進め方や価値観の違いなどを共有できたことも新たな発見となり、スクリーニング学研究会ならではの有意義な時間となりました。