ファシリテーター

長門石 曉 (東京大学)
島田 多堅 (第一三共RDノバーレ株式会社)
中納 広一郎 (大正製薬株式会社)  
 

参加者

20名

概要

本ワークショップでは、参加者17名+ファシリテーター3名の計20名で、事前アンケートより、「物理化学測定の基礎」と「事例共有(1)(2)」というテーブルを設定し、3つのグループに分かれて議論を行いました。主な議題を以下にまとめます。

  • SPRの活用例の拡張として、デグレーダー開発における三者複合体の評価や、異なるアナライトを連続してインジェクションする評価系についての意見交換が交わされました。
  • MSベースの手法として、AS-MSやnative MSなどの使用例に興味が増えていることが分かりました。
  • 物理化学測定全体を通して、弱いaffinity側の検出限界に興味が集中し、経験談などを共有しました。
  • タンパク質コンフォメーションの平衡関係を意識した解析や、天然変性蛋白質や特定のマイナーなコンフォメーションを標的とした場合の戦略について、物理化学測定との相性と合わせて議論を行いました。
  • 物理化学測定に用いる蛋白質サンプルを自力で調製したり、市販品の購入で対応する場合の注意点について議論が行われました。特に物理化学測定におけるタンパク質の物性チェックとして、SDS-PAGEベースでのpurityというよりは、タグ精製とゲルろ過精製の2段階は必要であろうという点と、特にゲルろ過での性状の確認は経験が浅い場合に見落としがちであり注意すべきという点で意見が一致しました。

今回は特にモダリティを意識して、相互作用解析技術の拡張について意見交換を行うことを当初の目的としていたが、上記のように参加者の多くは各種測定技術の経験談、注意点、そして拡張例にフォーカスしている傾向にあった。低分子創薬の中でも様々なアプローチがあり、また参加者に応じて個別の課題があることが分かった。物理化学測定は、今後も各技術に関する意見、情報共有が引き続き必要であることを強く感じるワークショップであった。