ファシリテーター

樽井 直樹(株式会社SEEDSUPPLY)
神崎 直之(株式会社SEEDSUPPLY)
岡部 隆義(東京大学創薬機構)
 

参加者

24名

 

概要

始めに岡部から、幹事会として「Affinity selection」を新規テーマに選んだ経緯説明、及び事前アンケートの集計結果紹介があった。アンケートからは参加者のほとんどが初心者である事が判明したので、今年度WSは、講演主体で進めることにした。

これを受け樽井が「Affinity Selectionの原理と応用例」と題した講演を行い、binder selection技術、Merck、Novartis他海外大手の事例、自社SEEDSUPPLYの具体例を解説した。講演途中を含め参加者からは活発な質問があり、期待、興味の高さをうかがわせた。
主な質疑応答の内容を以下に記す。

 

実験条件に関して

Q:MSにかける前のタンパク除去は?
A:逆相カラム前にプレフィルターを付けてタンパクをトラップしている。プレフィルターは詰まり易いので頻繁に交換している。

Q:SECはカラムとプレートのどちらが良いのか。膜タンパクの時はどちらがお勧めか?
A:どちらも海外大手で採用されているので、問題は無いと思う。SEEDSUPPLYでは扱いやすさから、プレート法を採用した。膜タンパクに対してはG50を用いたプレート法で可能である。

Q:SEC後タンパクから化合物を外すことができるのか?
A:分析用の移動相(アセトニトリルとギ酸)が入れば外れる。

Q:非特異結合の除去は?
A:精製タンパクでないときは、mockとの比較が必要、精製タンパクなら不要である。

Q:弱いaffinityの化合物は取りそこなうことが多いように思うが?
A:タンパク濃度、化合物濃度を変える。SECでは素早く分離することが肝である。

 

化合物ライブラリーに関して

Q:MSの検出は?
A:分子量は重ならないようにグルーピングする。全部パラメータを取っている。MSの取れない化合物は入れない。適切なライブラリーの構築は成功率を上げるために重要である。

Q:化合物の溶解性は気にした方が良いか?
A:指標として、(SEEDSUPPLYでは)緩衝液中で濃度30uMでも解けるものにしている。溶解度の確認は、光散乱と顕微鏡で確認した。