マイクロウェルプレートのエッジ効果に対するインキュベータの評価
演者
ローツェライフサイエンス株式会社 研究開発部 部長
大阪大学大学院工学研究科 招へい准教授
幡多 徳彦
要旨
インキュベータでのマイクロウェルプレートを用いた実験では、プレート辺縁部のウェルから培地や試薬などのサンプルが蒸発するエッジ効果の軽減・防止が課題となっている。エッジ効果によるサンプル蒸発は、実験の再現性や精度に大きく影響し実験効率を低下させる大きな要因となっている。さらに培養細胞を用いたスクリーニングでは、細胞の増殖だけでなく細胞挙動や代謝に対しても影響を与る。 そこでエッジ効果によるサンプル蒸発について、インキュベータにおける要因を明らかにしエッジ効果の軽減・防止を目的とした評価実験を実施した。ローツェライフサイエンス(SCALE120、CellKeeperⅡ)と他社の一般的なインキュベータを用いて、インキュベータの加湿方法や循環ファンの有無、プレートの出し入れ操作などについて、384と1536のマイクロウェルプレートにおけるサンプル蒸発の影響を評価したので報告する。