発表者
竹田 浩之 愛媛大学・プロテオサイエンスセンター
タイトル
無細胞タンパク質合成系を用いた薬剤探索技術
要旨
近年、薬剤標的の高難度化は著しく、膜タンパク質や転写因子、天然変性タンパク質などの従来技術では生産が困難なタンパク質を標的とせざるをえない状況である。我々が開発したコムギ無細胞タンパク質合成系は非常に強力なタンパク質合成系であり、膜タンパク質やタンパク質複合体などの高難度タンパク質の生産が可能である。我々は十年以上、無細胞合成したタンパク質とタンパク質間相互作用解析技術であるAlphaScreenを組み合わせ、シグナル伝達や翻訳後修飾などの試験管内再構成とアッセイ系構築を進めてきた。AlphaScreenはHTS系構築に非常に適しており、ひとたび、アッセイ系を構築すればそれを指標にした薬剤探索に展開する事が容易である。我々は東大創薬機構から提供していただいた化合物ライブラリを用いて、ホルモン受容体や転写因子に対する薬剤探索を実施し、成果が出てきている。本発表では無細胞系を用いたHTS系構築の利点といくつかの具体例をご紹介する。