発表者
副田 康平 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻
タイトル
19F NMRとSPRによるTob1-CNOT7蛋白質間相互作用阻害剤の探索
要旨
CNOT7はデアデニレース活性を持ち、mRNAの代謝に関与している蛋白質である。一方、Tob1はCNOT7及びPABPとも相互作用することにより、CNOT7をmRNAへと導く可能性が示唆されている。しかし、このTob1-CNOT7蛋白質間相互作用(PPI)の生物学的機能は未知である。そこで、本研究ではこの機能を解明するためのプローブとしての阻害剤の探索を目的とする。一般に相互作用界面が広く凹凸も少ないPPI界面を狙うため、本研究ではフラグメントライブラリーを用いたアプローチを試みた。また、本研究では全てのフラグメントがフッ素を含有するライブラリーを用い、従来FBDDでよく用いられてきたSPRに加え、19F NMRよるスクリーニングを併用した。その結果、19F NMRとSPRの両者で異なる、濃度依存的にTob1-CNOT7の PPIを阻害する化合物を複数個取得することに成功した。