発表者

タイトル

HTS を志向する MALDI-TOF MSによる定量分析検討

要旨

質量分析による定量分析は1990年代に広く用いられるようになり、今日では定量分析の主要なプラットフォームとして重要な位置を占めている。しかし、これら質量分析による定量分析においては、ESIやAPCIといった液相中からの大気圧イオン化法が用いられるばかりで、MALDI-TOF型質量分析計に関しては定量性に欠けるという認識が一般的であった。しかし、これはMALDI-TOF型質量分析計が原理的に持つ問題ではなく、イオン化部や検出系の問題であった。近年、レーザーの照射周波数の向上や検出系の改良が進んだことにより、MALDI-TOF質量分析計のダイナミックレンジや直線性が向上し、定量的な議論ができるようになった。本発表では、最近の検討結果を基に、リファインされた測定条件におけるMALDI-TOF型質量分析計の定量性について議論し、更にMALDI-TOF型質量分析計の最大の特徴である測定時間の短さを活かしHTSを志向した測定条件における定量性・再現性について議論する。