発表者

タイトル

高速細胞スキャナーを用いたスフェロイド培養による 抗がん剤スクリーニング法の開発

要旨

がん細胞のスフェロイドサイズを指標として、抗がん剤の迅速かつ簡便なスクリーニング法の開発を試みた。スフェロイドの計測には、高速細胞スキャナーCell3iMager（SCREENホールディングス）を用いた。HEK293細胞と同細胞をSV40 Large T抗原の発現により形質転換したHEK293T細胞を、細胞低吸着性U底型96ウェルプレート内でスフェロイド培養したところ、HEK293T細胞がより大きなスフェロイドを形成した。またそのスフェロイドサイズの計測値はATPアッセイによる生細胞量とよく相関した。そこで文部科学省化学療法基盤支援活動より提供された、360種の既存抗がん剤や各種阻害剤より構成されている標準阻害剤キットを用いて、HEK293T細胞選択的にスフェロイドの増殖を抑制する化合物をスクリーニングした結果、mTOR阻害剤などのがん分子標的薬が選択的阻害作用を示すことが明らかとなった。