発表者

加藤 なつみ 浜松ホトニクス株式会社 システム事業部

タイトル

ヒトiPS細胞由来心筋細胞と膜電位感受性蛍光色素およびCa2+感受性蛍光色素を用いた心毒性スクリーニング

要旨

非臨床試験における催不整脈作用の予測は最重要課題の1つである。近年、薬物誘発性心毒性の予測に有望なツールとしてヒトiPS細胞由来心筋細胞が期待されており、この細胞を用いた様々な手法やプラットフォームが評価されている。その中でも、蛍光色素を用いた膜電位やCa2+トランジェントの測定は、簡便でコストが低く、ハイスループットな測定が可能である。そこで、ヒトiPS細胞由来心筋細胞と膜電位/Ca2+感受性蛍光色素、およびカイネティクプレートリーダー FDSSを用いた測定条件の最適化を行った。さらに、36のリファレンス化合物を用いて、膜電位/Ca2+トランジェント波形から薬物誘発性のEAD様波形や心拍数の変化の有無等を評価した。ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いた、膜電位/Ca2+トランジェントの蛍光測定は、特に創薬の初期段階において、ヒット化合物の催不整脈作用リスクの評価に有用であると考えられる。