杏林製薬株式会社わたらせ創薬センター薬理第一研究所   高土居雅法

要旨

杏林製薬は、炎症・免疫・感染症を基礎研究領域として、研究開発拠点であるわたらせ創薬センターと米国子会社であるActivXとの協働でファースト・イン・クラス創薬に取り組んでいる。特に、前者が保有する受容体技術やライブラリ、後者が保有するKiNativ(kinaseやproteaseのプロファイリング技術)等を駆使して見出した創薬標的に対して、低分子をベースとした既存の創薬プラットフォームとペプチドや遺伝子治療等の社内外の技術を活用してオリジナリティの高い創薬の実現にチャレンジしている。一方で、このような創薬体制を構築するために、過去数年間をかけてDB類や機器類、組織等を整備してきた。その概要について兵站部分を担う化合物管理からの切り口で紹介し、化合物ライブラリやHTS対応の実際、一元管理策に関する内容を盛り込みながら独自の工夫点を報告するとともに、現在の課題や対応策についても言及する。