相原 彩子(日産化学工業株式会社)
妹尾 千明(中外製薬株式会社)
妹尾 千明(中外製薬株式会社)
【内容】
創薬研究において、3D・スフェロイド培養はin vitroとin vivoの中間を担う細胞培養技術として注目されている。通常の2D培養と比較して、3D・スフェロイド培養では化合物に対する細胞反応性が異なる場合があるため、より生体に近いアッセイが期待できるとともに、2D培養では得られない活性化合物取得が期待できる。
一方、スクリーニングツールとして3D・スフェロイド培養を考えると、いくつかの課題が考えられる。主な課題は3D・スフェロイドを形成させる培養デバイスと化合物評価のためのアッセイである。前者については、スフェロイド培養プレートの場合、低接着U底プレート、ハンギングドロップ、3Dマトリックスプレート、底面グリッド加工プレート等様々な選択肢があり選択は研究者に委ねられているが、形成されるスフェロイドの形質には違いもある。後者では、細胞塊へのアッセイ試薬の浸透性へ懸念があることや、画像解析にも技術を要することから、一般的な2D培養で行われる細胞アッセイと比較してアッセイ方法や解析方法の拡充が求められている。
本WSでは、日産化学・相原彩子氏から3次元培養培地を利用した3D培養の事例を紹介し、それをたたき台として、主にスクリーニングツールとしての培養デバイスとアッセイについて議論をしていきたい。また、参加者の方々が日ごろ直面している様々な問題点を提起していただき、議論を通じて問題解決のヒントや手がかりを共有していきたい。