発表者

久田 素 浜松ホトニクス株式会社

タイトル

FDSS7000EXのHTSオプトジェネティクスへの応用 -  光刺激・蛍光膜電位試薬を用いたchannelrhodopsin発現細胞の応答性の検証-

要旨

神経回路の解析は、電気生理学的、組織学的方法を用いて行われていた。近年、神経細胞に Channelrhodopsin (ChR)を導入し、光刺激を用いて、神経回路の解析を行う方法が確立された(Optogenetics)。このことにより、特定の領域や特定の細胞にだけに光応答性を付与する事が可能になり、マウス等の個体を使用したin vivoの評価が進んでいる。 しかしながら、Optogeneticsの創薬assay系の応用は現段階では限られている。我々はassay系の確立を目的として、改良型ChR を安定的に発現する培養細胞株を作成した。その細胞の光刺激に対する細胞膜電位の変化を膜電位感受性色素により行い、FDSS7000EXを用いて測定した。その結果、ChR 発現細胞は連続20回以上の光刺激に再現性よく応答する事が蛍光膜電位変化として観察された。光刺激は薬理的刺激と異なり、繰り返し刺激が可能であるために、神経細胞、心筋細胞などを用いたHTS in vitro assayへの応用が期待される。