発表者

渕野 裕之 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物資源研究センター

タイトル

創薬資源としての薬用植物エキスライブラリーについて

要旨

現在国内には膨大な収蔵数を誇る天然化合物ライブラリーがいくつか存在するが、我々は創薬スクリーニング用の植物エキスのライブラリーを構築している。本ライブラリーは基本的に国内で広く採取した野生植物を元に構築しており、現在までに約10,000サンプルのDMSO溶液について提供可能となっている。植物成分の地域差、季節変動、部位による成分差などを考慮し、各エキスは元になる植物の採取地のGPSデータ、植物名および学名、部位、採取年月日などに関する詳細な情報が紐付けされており、ヒットエキスの底上げのための植物の再入手を考慮してある。ヒットエキスは当センター内で分離精製、活性化合物の解明まで行えるような体制になっている。共同研究先へはDMSO溶液を分注した96又は384ウェルプレートを冷凍便で送付する形をとっている現在までに多くの国研、大学、企業との共同研究契約が締結されており、それらの成果についても一部報告する。